kata kata(型染め)
「モグラとミミズ」「やさしいつばめ」「ある日の庭」「月うさぎ」「ぐるぐるなまず」「うみのしまじま」……。まるでそこから物語が始まりそうな名前ばかり。これらはすべて、この風にはためく布たちにつけられた名前。そう、kata kata さんの手から生まれる、型染め柄の名前です。
もうお気づきかと思いますが、デザインはすべて自然界の生き物や風景がテーマになっているのです。八王子の緑や畑に囲まれて暮らす、松永武さんと、高井知絵さんのお二人は、日々目に映ったり、感じたりしたものを、素直に、そして温かくもユーモアに溢れた視点で絵柄に落としていきます。だから、kata kataさんが描く柄は、どれもほのぼのとしていて、なんだか幸せな気分にさせてくれるものばかり。
手ぬぐいや風呂敷から、大きな布地まで、kata kataのお二人は、型染めという伝統手法で、オリジナルの布地を作っています。「渋紙に型を掘る」という仕事から始まり、とても多くの工程を必要とし、すべてが手作業で行われます(詳しくはkata kataホームページをご覧ください)。冒頭の写真はその最後の工程、「布干し」の様子です。
型染めの魅力は、絵柄に合わせて細かく複数の色づかいがされていたり、一枚の手ぬぐいがそのまま一枚絵として描かれていること。それはこの多くの工程と、手作業だからこそ、なせる業なのです。
布を重ねて一気に染める、『注染』と呼ばれる手ぬぐい本来の染め方とは違い、『型染め』は、布を横に張り、一枚一枚、刷毛を使って染めていきます。だから、一枚の手ぬぐいに対してぬり絵のような感覚で細かく色をつけることができるのだそうです。例えばツバメの手ぬぐいの場合、下地となる水色は大きな刷毛を使って染め、ツバメの一羽ずつを小さな刷毛を使って染めるのだそうですよ。
「手間は掛かるし、大量には染められませんが、手を動かす分、自由に色を入れられるのでいいなぁと思って」と知絵さん。だからこそ、どれも魅力的なデザインなのですね。花市では、こうして作られた手ぬぐいや風呂敷などがずらりと並びます。ミミズも、モグラも、ウサギも、ツバメも、いろいろな虫たちも勢揃い! わいわい賑やかな、kata kataワールドの登場です!
そして花市当日、ぜひご注目していただきたいのが、お二人の洋服や手荷物。いつも型染めを身にまとっていてとってもチャーミング。
さらに、kata kata さんたち、花市に向けて、オリジナル柄を新たに作ってくれています。これがまた、とってもハッピー! どんなデザインかは、後日ご紹介。乞うご期待ください!
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