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2010年9月 7日 (火)

西本良太個展開催にあたって。

明日から、西本良太個展「paint」が手紙舎にて行われます。今回は、ギャラリストの末席に身を置く者として、非常に嬉しく、光栄な機会をいただいたと思っています。なぜなら、今後表現者として独自のポジションを築き、眩い光を放つであろう西本良太というつくり手の、ある意味初めての個展を行う場所として、この場所を選んでもらえたからです。

なぜ、「初めての個展」なのか? それは、今回の個展が、これまで西本氏が名乗ってきた(名乗らされてきた?)「木工家」という肩書きから自由になり、つくり手として純粋なる表現を発散する最初のそれになるのではないかと思うからです。

今回の個展へ向けての最初の打ち合わせのとき、「作品を売ることを最優先に考えることはやめよう」とみんなで確認しました。西本氏が表現したいことを表現する場にしよう、ということを決めました。その表現とは何か? それを言葉で説明するのは非常に困難です。例えば今回、西本氏は手紙舎の客席スペース一面にパンチカーペットを敷いています。「なぜそうするのか?」の問いに、「面白そうだな、と思って」と、氏は答えます。例えば今回、西本氏は映像作品を初めて発表します。「なぜ映像を撮ろうと思ったのか?」との問いに、氏はこう答えます。「面白いと思ったものが、映像じゃないと伝えられないから」。

僕はいつも、彼が何を見つめているのかを探ろうとします。彼の、表現の源みたいなものがどこにあるのかを言葉で探ろうとします。しかし西本氏は、言葉少なに「面白いから」と語るだけです。しかし、よく考えればそれは至極当たり前のことなのです。もしも言葉で十分に伝えられるようなら、彼は手紙舎にパンチカーペットを敷く必要もないし、映像を撮影する必要もないわけですから。

だから、西本良太の、言葉では語りきれない表現を見ていただきたいと願っています。彼にしかできない表現を見ていただきたいと願っています。僕自身、西本良太の表現の世界を愛する者です。そして願わくば、これから先、ずっと彼の世界を見続けていきたいと思っています。これから先、彼は非常に魅力的な、オリジナリティのある世界を形づくっていくはずです。今回は、僕にとっても、皆さんにとっても、その“始まり”を見ることができる貴重な機会であると信じているのです。

僕は西本氏のことを「サムライ」と評しています。かつて侍が、一太刀で戦いの勝負を決したように、西本氏もまた、一太刀で僕たちに勝負を挑んできます(手紙舎の床にパンチカーペットを敷くだけ、というのも一太刀だし、たとえは悪いかもしれないけれど彼の作る木の皿は、よく切れる刀でスパッと切ったような美しさがある)。

背筋のピンと伸びたサムライ西本氏が、彼しか持ちえない表現という名の刀を一閃振り下ろしたとき、手紙舎がいつもとは違う色に“ペイント”されます。そして、それを見たあなたの心も、いつもとは違う色にペイントされるはずです。何色になるのか? ぜひ、この場所で確かめていただきたいと思います。

2010年9月7日
手紙社 北島勲

●西本良太個展「paint」

期間/2010年9月8日(水)~9月12(日)
期間中特別営業時間/11:45~19:00
会場/手紙舎(東京都調布市西つつじヶ丘4-23-35-101)

今日の西本良太 #10

個展前夜(下の写真をクリックするとスライドショーが始まります)

Zenya

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