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2010年12月27日 (月)

2010年最後のお手紙をみなさまへ

以前坂本龍一が、甲子園の開会式で「お客様に感動を与えるために全力でプレーします」と選手宣誓をした高校球児に対して、「教養がなさすぎる」と嘆いていたことがある。教授が言うように今の若者は…なんて話をするつもりは全くない。むしろ、僕たちはまだ若者ではないか、という話をしたいのだ。「そんなこと言ってキタジマさん、もう不惑でしょ」と言われそうだけど、あなたもなってみたらきっとわかるけれど40歳というのはまったくもってペーペーの若造なのですよ。僕はこの歳になってやっと、自分はこういうしごとをして生きて行けばいいんだ、と、なんとなくわかって来た。「こういうしごと」というのは、単なる職業や職種という概念とはちょっと違う。英語に「career」という言葉がある。日本後に訳される時は、「ある一つの仕事に従事した履歴」と訳されがちだけど、本来の意味は「一生を賭して従事している仕事」という意味合いが強い。そういう意味では、僕のキャリアはまだ始まったばかりなのだ。ね、若造でしょ?

20代〜30代前半の頃は、自分は何をしてどうやって生きて行ったらいいか、ということがわからずに焦ってばかりいたけれど、この歳になってちょっとだけわかって来た。たった20年や30年生きただけで「これが私の生きる道」なんて決められるものではないのだ。

まだまだ若造の僕は、言ってみればいがぐり頭の高校球児とほとんど同じレベルだ。「誰かを感動させるものをつくってやる!」なんて息巻いてみたところで、計算通りにうまくいくはずなんてない。せめてできるとすれば「自分が感動するものをつくる」ことだ。それは、他の人と同じものを”つくらない”ためのせめてもの策略でもある。僕は、自分を感動させるものをつくる。それがいつかきっと、誰かを感動させることができたらいいなと祈りながら。

2010年もありがとうございました。どうぞみなさん、素晴らしい新年を!

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