aozora tatin「チーズのケーキ」(28日)
フランスのある街に、お菓子づくりがとっても上手なタタンおばさんが住んでいました。ある日、いつものようにリンゴのタルトを焼いていると、本当なら、タルト生地の上にリンゴをのせて焼くのに、うっかりタルトの生地を敷かずにオーブンに入れてしまいました! 慌てたタタンおばさん。オーブンの中はもう高熱。それでは仕方ないと、リンゴの上に生地をかぶせてもう一度焼きました。焼き上がったケーキをひっくり返してみると……これが美味しくって!! そのタルトは近所で評判になり、「タルト・タタン」と呼ばれるようになりました。
これは、フランスでもっともポピュラーなお菓子、「タルト・タタン」が生まれた、うっかりタタンおばさんのちょっぴり幸せなお話。そして、今回ご紹介するのは、小さな幸せをみんなに振りまく、小さなチーズケーキ&焼き菓子屋さん「tatin(タタン)」のお話です。
tatinは吉祥寺の大通りから少し入った、細い路地にひっそりと佇んでいます。それはとっても小さくて、うっかりすると通り過ぎてしまうけど、初夏から秋にかけては、壁一面をルリマツリの青い花か覆っている建物の1階が目印です。小さな入り口を入ると、お菓子を焼くためのキッチンがあり、その手前には、おしくてかわいい焼き菓子がズラリ。ここは、tatinの店主、渡部さんにとってのお城でもあるのです。
もともとは、吉祥寺の路上でチーズケーキを販売していたという渡部さん。ところがある日、tatinのチーズケーキが大好きな常連さんから、「うちの1階を使ってみない?」と、誘われたそう。そうして、お菓子工房にもなり、雨でも風が吹いてもお店が開ける「tatin」が始まりました。渡部さんはたった一人で作り、販売もしているから、人気のチーズケーキは毎日数量限定。全体の75%がチーズで3種類を混ぜ合わせているそうで、そのずっしりとした濃厚さと、味の奥行きが、スイーツ好きの心をとらえます。もっともおいしい瞬間はカットした時。包丁についてしまったケーキのかけらをぬぐって、ペロリといただいてみると……口に広がる幸せに、こちらがとろけてしまいそう! 濃厚なのに、食後でもしっかり食べられるのは、甘さとクリーミーさが絶妙だからなのでしょう。
そんなおいしいチーズケーキが、もみじ市にやってきますよ。久しぶりに青空の下で販売するから、この日は「aozora tatan」。楽しみですね!
1.もみじ市への意気込みをお聞かせください。
花市ではみなさんの活気や暖かさに背中をググッとおされる気持ちになったのを覚えています(渡部さんは花市に遊びに来てくれていました)。今回、初参加のもみじ市でどんな出会いがあるか楽しみでたまりません!
2.もみじ市に向けてどんな作品を作りたいですか?
ホッと幸せになれるお菓子を作りたいと思っています。お店にカフェスペースがないので、その場で召し上がって頂けるのはとっても嬉しいです。
3.渡部さんにとって旅とは?
旅先での出会いやいつもとは違う時間の流れによし!がんばろー。と思わせてもらっています。私にとってはこのもみじ市も「旅」です。まさに。
この日ばかりは限定なんていいません。一生懸命ご用意して青空の下、おまちしております!素敵な旅になりますように……。 *続いては、今回最も遠くから旅してやって来てくれる、それはそれは美しいガラスを作る新しい参加者の方のご紹介です。
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