ひなた屋「焼菓子と木のモノ」(28日)
新旧入り交じり、昭和を思わせるような古い家や畑、よく探すと、茅葺き屋根の家も残っていたりするほどに、のどかな風景を残す東京・町田市。そんな中にあって、最寄り駅からはバス。さらに歩いて5分。専用駐車場はない。
正直なところ、お店としては不便としか言えない場所にもかかわらず、ひなた焼菓子店には、連日スイーツを求めてお客様がやってきます。近所の方もいれば、遠くから車で来て近くにとめ、急いで買って帰る方、迷いながらもバスで来る方。小さな看板を発見し、ようやくたどり着いたとき、誰もが「え!ここなの!?」と驚くでしょう。
ひなた焼菓子店は、古い平屋の小さな自宅の1室を改装して作られた、とてもかわいらしくて温かいお店。家から庭に入る細い園路を通るときから、ちゃんと手をかけられた、それでいて懐かしいような心ひかれるシーンが見られ、どんなお菓子が待っているのか、わくわくしてきます。庭から木枠の窓を開けて入る、6畳ほどの1部屋がひなた焼菓子店。真ん中にどっしりと置かれた大きなテーブルは、まるや三角、小さな四角の焼菓子やタルトやパウンドケーキがぎっしりと並んでいます。どれもおいしそう。
店主の森 和子さんは、カフェを開きたいと思い始めたころ「カフェをやるなら料理かケーキ作りだ!」と思い、働き始めたカフェで、すばらしく研究熱心なパティシエの方に出会ったのだそうです。彼女を「師匠」と呼ぶ森さん。何度も「もうやめようと」思ったけれど、師匠に励まされ、一緒に研究を重ねるうちに、技術を磨いていったのだそうです。そうして、ここでお店を始めたのはおよそ1年半前。ネットを中心にとひっそりと始めた小さなお店が、女性の心をつかむ、見た目のかわいらしさとおいしさで、いまや遠くからも人を呼ぶ隠れた人気店になったのです。
本人は「あまり甘いものが得意ではない」という森さん。お酒好きな本人自ら「酒飲みスイーツ」というほどに、ただ甘いだけでなく、ガツンとスパイシーだったり、お酒がきいていたりして、お酒好きな女性や男性にも好まれるのが、ここのお菓子の特徴。人気の、スティック状になってひとつひとつ包装されたチーズケーキは濃厚な味わい、さらにしっかりスパイスの利いたペッパー味もあり、まさに大人のスイーツ! そして今回のもみじ市では、定番のパウンドケーキや季節のタルトの他、さらに「旅」を感じる大人のチーズケーキも考えてくださることになりました。
お菓子をビジュアル面から美しく演出するのは、森さんのパートナーの木工作家・鰤岡(ぶりおか)力也さん。鶴川に工房をもち、お一人で店舗の什器などを製作しています。オリジナルはここ、ひなた焼菓子店でみることができますが、その作風は、余分なものを全てそぎ落としたシンプルなデザイン。ストイックさを持ちながら、木の温かさも感じさせるのは、和子さんが作るお菓子と通じるものがあります。もみじ市では、カッティングボードやバインダー、ランプシェードなど、暮らしの中で気軽に使える小物を用意してくれるそうです。
ひなた焼菓子店の出張版「ひなた屋」。なかなかお店に行けない方も、もみじ市でどうぞお楽しみください。
1.もみじ市への意気込みをお聞かせください。
野外イベントは、はじめてなので、ドキドキです。
2.もみじ市に向けてどんな作品を作りたいですか?
旅先のお土産のようなラッピングした小さなパウンドケーキや、定番のチーズケーキで「旅」を感じる新しい味を用意したいと考えています。
3.森さんにとって旅とは?
わたしたちが、今一番したいこと
4.もみじ市に来場する皆さんに一言をお願いいたします。
とてもきもちの良い季節だと思うので、ほっこりと秋を感じにいらしてくださいませ。焼菓子のほかにも、木のものイロイロありますよ。
*続いては、花市で完売最速記録を打ち出した、あのパン屋さんのご紹介です。
| 固定リンク