森 友見子さん「再生紙の造形」
見ているだけで、ほっと気持ちが和む、温かな色合いの器やモビールや小さな箱。茶色は段ボール、白は牛乳パツク、グレーは新聞紙。これらは全て、再生紙から作られています。
最近では「もったいない」と思う気持ちを大切に、長く使うことや再生、再利用することが、当たり前のことになってきました。とても素晴らしいことですよね。ただ、それがちょっと強引だったり、見た目に美しくなかったりすると、がっかりすることがあります。
でも、森友見子さんが作る作品は、作品そのものが優しくてチャーミングで、とっても魅力的。ふわっとした手触りもいい感じ。これらが再生紙でできているというのですから、心が惹きつけられます。一度役目を果たした牛乳パックや段ボールが、森さんの手によって姿を変え、息を吹き返し、こんなにかわいらしくも温かい「作品」になったのかと。
そもそも森さんは、美術大学時代、新しいものを買ってきて、組み立て、作品を作る、ということに、矛盾を感じ始めたのだそうです。それは、「無駄なものを生み出しているのではないか」という迷いでもありました。そんなときに出会ったのが、新聞紙を使ったもの作りでした。素材から自分でつくることで、その迷いから抜け出し、再生紙で「作品」を作り、結婚して子供ができたいま、その素材を使って、暮らしの中で使うものを作るようになったのだといいます。
もちろん、器といっても水分を含むものは入れられません。でも、毛糸や拾ってきた石、集めたボタンなどを入れるととってもよく似合います。ペン立ては、シャープペンやボールペンよりも、えんぴつや、カラフルな色えんぴつが似合いそう。机の片隅に、そっと置いておきたい感じ。
うれしいことに、今回森さんは「旅」というテーマに合わせて、新しい作品も作ってくれます。旅といえば手紙。ハガキやペントレー、小さな切手ボックスなど、手紙にまつわる小物を用意してくださる予定。さらに、人気作品である家の形をしたペーパーウェイトを使って、「どこかの旅先で出会った小さな街」が作られる予定です。楽しみですね。
みなさん、ぜひ森さんの作品を手に取って、再生紙の温かさを目と肌で感じてみてください。
1.もみじ市に参加するにあたっての思いをお聞かせください。
以前、お話を聞いて気になっていた市に参加でき、楽しみです。また作品をとおした発見や出会いも楽しみにしています。
2.もみじ市に向けてどんな作品を作りたいですか?
手紙やはがきが好きなのでその辺からテーマに入っていければと思っています。具体的には机周りの小物ということで、ペイパーウェイト、小箱、カード、ペントレーやペン立て、行ってみたい街や知らない街をイメージしたレリーフ、モビールなども作りたいです。
3.森さんにとって旅とは?
いつもの生活を忘れて思いっきり楽しみ、またうちに帰り、やっぱりうちもいいなあと思える生活を送れる幸せを感じます。
4.もみじ市に来場する皆さんに一言お願いします。
紙を再生して作品を作っています。もみじ市で出会えて(みつけて)よかったと思っていただけると嬉しいです。
*つぎは、かわいらしくも、ちょっとこわかったり、おどけていたり。とてもチャーミングでユーモアたっぷりの人形を次々と生み出す、大人気の人形作家&イラストレーターさんのご紹介です。
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