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こばやしゆう「旅犬たびいぬ」

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「私、もみじ市に出たいんです」
電話の向こうで彼女がそう言った時、僕は耳を疑った。えっ? 本当に? 冗談じゃなくて? 
「もし本当にそう思ってくださっているのなら、僕たちのほうからお願いさせてください。ぜひ、もみじ市へ参加してください」
足元から頭にかけて、熱いものが高ぶってくるのを抑えながら、僕はそう言った。

電話の相手は、こばやしゆうさん。僕たちがその作品も人柄も、心から敬愛する、“つくる”人。

他の誰もがつくっていない作品を生み出し、それを見る者に衝動や絶望や勇気を与えることができるのが芸術家ならば、ゆうさんは極上の芸術家だ。生活に必要な美しい道具を生み出し、それを使う者に暮らしの美学や豊かさをもたらすのが職人ならば、ゆうさんは極上の職人だ。

しかし、ゆうさんに最もふさわしい“肩書”は、「旅人」なのではないかと思う。器、椅子、絵、ブランコ、家、料理・…。そのときにつくりたいものをつくる、というゆうさんの創造と想像の旅は極めて自由で、誰にも何にも束縛されることはない。

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ゆうさんは、今年の春「旅犬」という本を作った。全96ページからなるその本は、ゆうさんがこれまでに何度も訪れているアフリカへの旅をまとめた本で、現地での友人との交流を、ゆうさんの文章と写真と絵で綴った、見る者の旅愁を誘う、エナジーに満ちた一冊だ。もちろんこの本もゆうさんの作品のひとつであり、この本を見ていると、ゆうさんにとってはさまざまな土地へ旅をすることも、“つくる”行為のひとつなのだと納得させられる。

我が家にはゆうさんの作品がたくさんある。その器に料理を盛れば、食欲をそそる命に満ち溢れた一皿になり、仕事場のデスクに置いてある、陶でできた“旅犬”は、いつも僕にエールを送ってくれているようだ。

そんなゆうさんの作品が、多摩川の河原に並ぶことを想像しただけで、僕の胸は高鳴る。いや、正直に言うと、その風景を“想像”することはできない。どんな風に作品が並ぶのか? その設計図はきっと今、ゆうさんの手のひらの中を、頭の中を、体中を、旅しているのに違いない。

*ゆうさんに聞きました

Q1. 今回のもみじ市では、どんな作品を発表しますか?

陶でつくったもの。旅に持っていきたくなるmycup、bowl、そのほか日常の役に立たないけど、魂の栄養になるかも知れないもの。

Q2.「旅と音楽」というテーマに合わせた作品があれば教えてください!

ずばり、旅犬です。

Q3. 新しい場所で開催されるもみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

普段室内では展示できないようなのびのびとしたディスプレイ。

Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客様にメッセージをお願いします!

一期一会。今日という日は今日だけ。もみじ市にいらしてくださった人全員とおしゃべりして仲良しになりたいです!

*さて続いては、その手から美しい旋律と、かわいい鳥たちを生み出すあの方の登場です!

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