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松本寛司+呉 瑛姫「木工と陶」

Kanji

初めてその器を手にしたのは、いまから2年ほど前のこと。ふわっと持ち上がったまあるいお皿は、厚さ数ミリという繊細な薄さで表面がすべすべでなめらか。木という素材でここまで繊細にできるなんて!と驚きを感じたのを、今でも覚えています。

そして先日、あるきっかけでいただいた彼の器は、どっしりとして厚みがあり、表面には木の彫り跡が残してある、力強い器でした。そこには、手彫りならではの温かみがあり、ざっくりと料理を盛りつけても、小物を入れて飾っておいてもよく似合う存在感があります。それは、初めて手にした時の器とは、まるで対照的にも見えました。

彼の名前は松本寛司さん。岐阜県多治見市にある、若い作家が集まる工房「studio MAVO」を拠点に、器やトレー、木さじなどの生活雑貨を作り続けています。松本クラフトフェアをはじめ、全国各地で個展を開き、数々のお店にも置かれている彼の作品は既にご存じの方も多いのではないでしょうか。

「木」という素材に常に向き合い、彫ったり削ったり磨いたりというすべての行程を、松本さんは一人手仕事で行っています。その中で、当初から独自のスタイルを築いている行程があります。それは、材木の仕入れ。岐阜県というこの地域は材木の産地として有名で、ここに立つ「市」には、全国から材木屋さんが買い付けに来るのだそうです。その中に入り、松本さんは「競り」で自ら使う材料を仕入れています。そこには、少しでも材料を安く仕入れる、という理由もありますが、市は活気に満ち、たくさんの木を見て触れ、そこで出会う人たちから木の話を聞き、もっと木のことを勉強できるからだといいます。

「木でもこんなことができる、ということ。木だからこそ、こんなことができる、ということ。どちらも表現していきたいと思います」

薄くて繊細な器も、彫り跡が残る力強い器も、どちらもが松本さんの「木」が表現できることの現れだったのです。「木は使っていくうちに反ったりゆがんだりするもの。それがごく自然なこと。木の中で生まれた私たちが、暮らしのそばに木のものを置き、長く使いながら、もっと木のことを好きになって欲しいです」

ご存知ですか? 木のものは、樹齢と同じだけの長い年月を使い続けることができるのだということを。松本さんの作品は、どれも樹齢の長い木ばかり。10年、20年、30年と使いつづけながら、自然を感じ、自然を知る。松本さんの作る作品は、食べる楽しさ、使う心地よさだけでなく、そんな大きなことを伝えてくれるような気がします。

もみじ市では、繊細な器も、力強い器もどちらも準備してくださるそう。そして、普段松本さんの作品としてお店にはならばないような、アクセサリーや、もしかすると「旅と音楽と」というテーマに合わせて、手作りの楽器も登場するかもしれません! さらに、同じく初登場の陶芸家・呉 瑛姫さんとのコラボレーションも実現!?

もみじ市では、松本さんの作品に触れ、松本さんご本人といっしょに、木についてもっとお話してみませんか?

*松本寛司さんに聞きました。

Q1.今回のもみじ市では、どんな作品を発表しますか?

木の器と木のアクセサリーです。

Q2.「旅と音楽」というテーマに合わせた作品があれば教えてください!

楽器をつくってみたいです、楽器台か、、何か音楽に関わる木工をしてみたいです。

Q3.新しい場所で開催されるもみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

お祭りや、縁日みたいになったらいいですね。

Q4.もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客様にメッセージをお願いします!

ふだん、お店には卸していないものをならべたいと思っています。

*さて続いては、フランスから旅してきた、美しいアンティークや古道具扱う、初登場の女性の登場です!

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