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いぶきみのり「縫いもの」

Ibuki2

あの夏の日に、恋をしてしまったのです。

僕が恋をした相手は、今年の夏、経堂のROBA ROBA CAFEの中にいたカブトムシ。壁に掛けられた真っ白なTシャツの上に、それはとまっていました。

このカブトムシの生みの親こそ、いぶきみのりさん。いぶきさんが“縫いもの”によってTシャツに描いたカブトムシは、大胆不敵で、愛嬌があって、かわいくて…。見る者の目をとらえて離さない魅力を放っていたのでした。僕が見た時は残念ながら(当然ながら)、カブトムシTシャツの引き取り手は決まっていて、たいそう悔やんだのですが、あきらめの悪い僕はいぶきさんに無理をお願いをして、新たに作ってもらうことに。せっかくだからカブトムシとは違う昆虫をと、いぶきさんが作ってくれたTシャツには、トンボとちょうちょが飛んでいたのです! どうです、素敵でしょう?(はっきり言って自慢です)

Ibuki

ROBA ROBA CAFEでのいぶきさんの展示は本当に素晴らしいもので、さまざまな素材(100年前のリネンも!)を使って作られる帽子や洋服やバッグなど、すべての作品が、縫い目のひとつひとつに至るまで、いぶきさんにしか作れない、いぶきさんの世界。ユーモアがあって愛くるしくて、身に着けた者を幸せにしてしまう、抱きしめたくなるような作品たち。実際、みんなで着てみたら、ほら、このかわいさ!(いちばん上の写真)

小さな時から縫いものが好きだったといういぶきさん。小学校の時に、ズック袋を作る、という課題が出された時も、ひとりだけみんなとは違うものを作っていたそう。あまりにも自由な彼女のものづくりの息吹は、すでにその時から芽生えていたのかもしれません。

いぶきさんの作品の中には、はぎれなどをつなげて作るものも多いのですが、そのような作品を作る時、いぶきさんは、先の見えない面白さがあるといいます。また、こうも言います。
「つじつまが合えばいいと思っています」
いぶきさんがここでいうつじつまは、本来、「辻」(裁縫で縫い目が十文字に合うところ)と「褄」(着物の裾の左右が合うところ)のことで、双方とも「合うべき道理」を意味します。言い得て妙。いぶきさんの作品は自由奔放でありながら、着地がピタッと止まった、“道理の合った”作品のような気がするのです。

さあみなさん、もみじ市では、いぶきさんの手から生みだされた、世界にひとつしかない作品をぜひ手に取ってみてくださいね。そして、ぜひ身に着けてみてください。きっと、秋の空を飛びまわるトンボのように、自由で、幸せな気持ちがあなたに訪れるはずですから。

*いぶきみのりさんに聞きました

Q1. 今回のもみじ市では、どんな作品を発表しますか?

帽子、袋、服などです。

Q2.「旅と音楽」というテーマに合わせた作品があれば教えてください!

「旅のお供帽」
「ヘッポコマーチが聞こえる帽子」
まだ思案中です…。

Q3. 新しい場所で開催されるもみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

川がはこんでくる風に吹かれながら、いつもどおり、楽しく、ミラクルに、普通に、新しく、出会いたいと思っております。

Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客様にメッセージをお願いします!

きっと愉快な出会いがありますよ。

*さて続いては、いつもみじ市の会場を天才的なセンスで彩ってくれるあの方の登場。今回はいつにも増して気合が入っているようですよ!

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