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小谷田 潤「陶器」

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彼は情熱的な人だ。どんなことにも、いつも100%でぶつかっていく。
彼は愛情深い人だ。仲間を大切にし、家族を大切にする。
彼は勉強家だ。次々と新しい作品を生み出し、そのたびにどんどん魅力的になっていく。
彼は乙女心の持ち主だ。女性たちの心をくすぐる、あのかわいらしいポットや器が、そう物語っている。

彼と初めて出会ってから2年が過ぎた。あれは初めてのもみじ市のこと。私たちからの、なにやら訳もわからないイベントのオファーに、なんのためらいもなく出店を快諾してくれた。そのイベント当日は自身の結婚式当日だというのに、終わったらすぐに京都からかけつけてくれた。さらに、そんな人生の大切な時期にも関わらず、イベントで出すカレーのために、イメージに合わせた器を焼いておいてくれた。私の記憶にある彼のエピソードは、出会った当初から、いつもまっすぐで、熱い気持ちと優しさに溢れている。

初めて出会った彼の作品が土鍋だったから、陶芸家・小谷田潤さんの作品といえば、まず土鍋を思い出す。我が家にもあるその鍋は、寒くなるとたびたび小さなコンロとともに食卓に登場し、私たちのお腹と心を満たすのに活躍してくれる。知り合いの料理人が、我が家でその土鍋を使って炊き込みご飯を炊いてくれたとき、火のまわりと保温性のよさに感激していた。料理下手の私がつくる時でさえ、大らかにうけとめてくれて、じんわりとおいしくしてくれるし、そのずどんとした形や、土らしい表情も気に入っている。

もちろん、食卓に頻繁に登場するのは、鍋だけではない。ふっくらしたポットもコーヒーカップも取り皿も、気がつくと小谷田さんの器を手に取っている。「使いやすいから」と言えば簡単なのだが、しっかりした厚みはざっくり使っても安心だし、素朴な質感と色、シンプルな形は、けっして料理を邪魔せずにそっとまわりから支えてくれる。手に取ったとき、少しざらついた表情から伝わる料理の温度は、家庭料理の温かさまで伝えてくれる。家でのご飯が、小谷田さんの器を使うことで、ちょっとごちそうになる。

最近の作品では、いつものベースにさりげなく模様が入ったり、蓋モノだったり、空色だったり、バリエーションが増えていて、それがとてもかわいくて、心をくすぐる。実用的だけでない、そこにそれがあることで、暮らしがもっと楽しくなるような器。

そして、これからの小谷田さんの作品も、きっとどんどんと変わっていくだろう。彼は今年、30歳を迎えた。この春、父親になった。これまでよりも、もっと愛情深く、大らかで、優しくて、まわりを包み込むような器を作っていくに違いない。陶器が子供たちにできることを探し、新しいものを生み出してくれるだろう。

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今回のもみじ市では、これまでの定番のもの、最近のもの、「涙つぼ」と呼ばれる小さいものから、大きな鍋、さらにもみじ市のための新作も。さまざまな作品を持ってもみじ市に登場してくれるという。とにかく、たくさんの種類とたくさんの数を取りそろえて。そして、とっておきの作品が、写真の顔出し看板(?)。旅と言えば記念写真。記念写真といえば、これ。子供用の小さな顔出し壺も用意しているのだとか。「種類と数の多さでなんぼのぼくですから」とご本人は言うが、そのサービス精神こそ、彼の情熱的で愛情深いところに違いない。

もみじ市を直前に控えて、明日から3日間、京都で個展を開く。さらにもみじ市会期中と重なる10月23日からは、福岡でも個展を開く。節目の年であり、通過点でもある、今の彼の作品展。もみじ市には遠い、という方は、ぜひ個展で彼の作品に触れてほしいと思う。

*小谷田 潤さんに聞きました

Q1.今回のもみじ市では、どんな作品を発表しますか?

ポットや鍋など日々使うもの。その他、いろいろ。今回は、白、黒、水色の3色です。

Q2.「旅と音楽」というテーマに合わせた作品があれば教えてください!

旅先で見かける光景をイメージ。子供も楽しめるようなものを作りたいです。ほかの作家とのコラボもできたらやります。

Q3. 新しい場所で開催されるもみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

気持ちの良い河川敷で、来てくれる人たちとのちょっとした会話を楽しみたいです。どうぞ、話かけてみてください。

Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客様にメッセージをお願いします!

ここでしかできないことや見られないものがたくさん集まります。ぜひ。

*続いては、シュールでキャッチーな、あのイラストレーターのご紹介です。今回は、「紙」でどんな楽しい世界を見せてくれるのでしょうか?

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