ライブのお知らせ

高野寛「ライブ」(25日)

Takano

「愛」がキーワードでした。

出店者や出演者を紹介する、この『もみじ市ブログ』を始める時に、スタッフみんなで約束したことがあります。それは、こんなことでした。

「自分たちが好きな人たちだけに参加してもらっているのだから、それぞれが担当している作家やアーティストの方々への愛を素直に綴ろう。きれいにまとまった文章なんか書くのはやめよう」

そして今、私はずっと以前から好きだったあの人をご紹介するにあたり、あの時のことを思い出していました。

今から5年前。まだ知り合ったばかりのパートナーと私の車で出かけた時のこと。車の中では以前から好きだった1枚のCDが流れていました。それはコンピレーションアルバムで、複数のアーティストの曲が次々と展開されていくなか、ある曲で彼が突然口ずさみ始めたのです。「え!この曲知ってるの?」と私。「もちろん、高野寛さんでしょ」。

それは、1995年にリリースされたアルバム『Sorrow and Smile』からの1曲、『相変わらずさ』。この曲の、日曜の午後の日差しを感じるようなゆったりとしたのどかな曲調、なつかしさと微笑ましさが描かれたほのぼのとした歌詞が大好きで、この曲が入った両方のアルバムを持つ私は、おそらく何百回とこの曲を聴いていたのです。

2004年に、名盤『確かな光』がリリースされた時には、競うように発売日に購入しました。そのタイトル曲となる1曲目から、すでに心を奪われた私たちは、その年に行われたライブにも二人で連れ立って訪れたのです。

それから2年後、私たちは一緒に「もみじ市」というイベントを企画しました。当初は、そのイベントを定期的に行っていくつもりはなかったのですが、2回、3回と行ううちに、「いつか、高野さんがもみじ市で演奏してくれたらいいね」と、実現するとは思えないような“かすかな光”を追い求めるように話したものでした。

私たちが愛する高野さんは、言うまでもなく、多くの人々に愛されていて、高野さんが生み出す豊かなメロディ、まっすぐで強くて優しい歌声、そして高い技術に裏付けられた、歌うようにかっこいいギターは、それらすべてが日本の音楽界にとって、なくてはならない存在になっています。

それを象徴するような出来事があります。今年の8月に行われた音楽フェスティバル「WORLD HAPPINESS」で、14組ものアーティストが出演する中、高野さんは、なんと3回もステージに立ちました。1回目は、高橋幸宏さんがリーダーを務める「pupa」のメンバーとして、2回目は、海外でも評価が高い「GANGA ZUMBA」のメンバーとして、そして3回目はこのフェスの大トリを務めた、あの「HASYMO」のギタリストとして登場したのです。

多くのファンからも、ミュージシャンからも愛される高野さんは、この10月で、デビュー20周年を迎えます。そして、4年ぶりにソロ活動をスタートするという記念すべきこの時。私たちがいつからか追い求めていたかすかな光が、いま、“確かな光”になろうとしています。

明後日に迫ったもみじ市で、私たちの大好きな高野寛さんが、歌ってくれます! それは、まるで夢のような現実。 あの語りかけるような優しい歌声、心にすっと入り込んでくるような温かくて純粋な歌詞。思わず口ずさんでしまうメロディ。そして、高野さんの体の一部のようなギター。そのすべてを携えて、大好きな高野寛さんが、もみじ市にやってきてくれるのです。

高野さんの4年ぶりのソロ活動のはじまりとなるニューシングルが、来月発売されます。そのタイトルは『LOV』。私たちの愛が高野さんに届いたなら、週末の多摩川の河原で、高野さんからの「愛」が、みなさんの心の奥深くに、そっと届けられることでしょう。

<高野寛ライブ>
日時:10月25日土曜日 15:00~
場所:川を背にしたステージにて

*高野寛さんに聞きました

Q1:今回のもみじ市では、どんな曲を演奏していただけますか?

場所と天気にあう曲を選びます。当日までのお楽しみ。

Q2:「旅と音楽」というテーマに合わせた曲があれば教えてください!

PPMの「500マイル」に清志郎さんが詞を書いたHISバージョンをやってみようかと思います。

Q3. 新しい場所で開催されるもみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

風を感じながら、水の音を聞きながら。

Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客様にメッセージをお願いします!

のんびり楽しんでってください!

*さて、いよいよ最後の出店者の紹介……、その前に、あの“木”の話をしましょう。

|

キセル「ライブ」(26日)

Photo

「手紙のような音楽」
キセルの音楽を聴くといつも、こんな風に思います。それは、ある日突然、わたしの心のポストにひらひらと届きました。そしてそれは、わたしの心を掴んで離しませんでした。懐かしいような、でも初めて聴くような、新しい音。

キセルは辻村豪文さんと、辻村友晴さんによる兄弟ユニット。ギターやオルガン、そして何よりの楽器である!と思う、おふたりの独特な声。それらが絶妙にまざりあって、何とも言えないここちよい浮遊感を与えてくれます。彼らが紡ぎだす音を聴くと、胸の奥にしまっておいた記憶を思い出してはあたたかい気持ちになったり、そうかと思えば、悲しいあの日のことを思い出して切なくなったり…。たくさんの思いが、心の中に、ふわりふわりとしゃぼん玉のように現れては消えて、聴き終わるとトゲトゲしていた気持ちがやわらかくなっているのです。

以前、春の心地よい日に、キセルのライブを見に行ったことがあります。その会場は昔からある古い洋館のような建物でした。歴史を積み重ねてきた、独特の匂いを放つ空間とキセルの音楽はとても似合っていて、自分の体が溶けていくような気持ち良さでした。夏の始まりを予感させるようなあの日、あの場所で聴いた「サマタイム」は格別で、今でも時折思い出します。あの時の記憶を、いつまでもいつまでも、大好きな人からもらった手紙のように、大切にしまっておきたいと思うのです。

しみじみと思い出していたら、早くもキセルのライブへの期待がゆらゆら。キセルの音楽が、“秋の河原”で、どんなふうに響き渡るのでしょうか。どんな手紙となって、皆さんの心に届くのでしょうか。

<キセルライブ>
日時:10月26日日曜日 13:30〜
場所:川を背にしたステージにて

*キセルのおふたりに聞きました

Q1:今回のもみじ市では、どんな曲を演奏していただけますか?

秋の野外をちょっぴり意識したいと思います。(兄:辻村豪文)
河川敷ライブ、めっちゃ楽しみなんで、気持ち良く演奏したいと思います。(弟:辻村友晴)

Q2:「旅と音楽」というテーマに合わせた曲があれば教えてください!

「音楽で旅」が目指すところなんですが、「庭の木」という曲をやろうと思ってます。(兄)
妄想でなら『道がまっすぐ』とか。インストですけどね。(弟)

Q3. 新しい場所で開催されるもみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

とりあえずぐるっと回りたいです!(兄)
雑貨が好きなもんで、色々見てまわりたいと思ってます。(弟)

Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客様にメッセージをお願いします!

もみじ市初心者なのですが、参加できるのがありがたく、とにかくライブを頑張りたいと思ってます。よろしくお願いします!(兄)
ピクニック気分で是非遊びに来て下さい!(弟)

*さて続いては、出店者のみんさんから続々と届く、途中経過報告、第3弾です!

|

tico moon「ライブ」(26日)

Ticomoonp

この夏、tico moonがもっと好きになった。

第1回目のもみじ市のときからご出演いただき、もみじ市・花市にはいつもtico moonのお二人がいる。イベントの終盤にさしかかる頃、会場に流れる、吉野友加さんのハープと、影山敏彦さんのギターの音は、私たちの高揚した気持ちと、もうすぐ終わりだという切ない気持ちを、さらにかき立てる。

だから、いつどこで聴いても、お二人の曲は、私たちの胸をキュンと締め付けるスイッチを押してしまう。とくに、昨年の花市のために作ってくれた「Raspberry」と、昨年のもみじ市のために作ってくれた「little bird's tale」。この2曲は、もはやお二人だけの曲ではなくなっている。もみじ市、花市に参加する、多くの人が「自分の曲」と思っているほど、愛着を持っているのだから。

そんなお二人の3枚目のアルバム「Raspberry」が、去る7月4日にリリースされた。それをきっかけにライブツアーが行なわれ、私たちはそのお手伝いをさせていただき、同行させていただいた。

それは、東京をはじめ、茨城、群馬、山梨…など、関東各県のいくつかのカフェやお店を巡るツアーで、温かくておいしくて、空間が素敵で、きっとtico moonの曲が似合うだろう場所を選び、ライブをさせていただいた。会場となるお店は、いずれもtico moonのお二人にとって、初めてライブをする場所ばかり。お二人は、新しいお客様に出会えることを、このツアーが決まったときから楽しみにしていた。そしてその気持ちは、お二人を迎えるお店のオーナーたちも同じだった。

ライブの朝、小旅行気分で会場に向かう。到着し、扉をたたくと、「よく来てくれました!」と喜びを隠しきれない笑顔で、オーナーたちが迎えてくれる。その気持ちはお店全体に満ちあふれていて、メニューボードには、すでに、この日のために用意されたおいしいもののリストができあがっている。あるお店ではラズベリーのケーキやラズベリーソーダだったり、あるところでは影山さんが大好きなカレーだったり。きれいに片付けられた空間、集められたたくさんの椅子、お客様に差し上げる小さなおみやげ。すべてが、このお二人のために用意されていた。その瞬間、「この二人はみんなに愛されているんだ」と感じた。

それは、お客様も同じだった。初めて見るお二人の演奏する姿。友加さんの舞うように動くハープを弦をつま弾く指。影山さんの、ちょっと早口なトーク。そして、二人の奏でる音。三拍子の美しいメロディ。すべてを受け止めてくれるような温かくて優しい曲。「1曲目が流れた瞬間、涙が溢れそうでした」。演奏終了後、そんな言葉も届いた。

その場所に一緒にいた私も、人々の温かさに胸があつくなった。小さな感動の日々だった。

今月の初旬、そのツアーがすべて終了した。それは旅の終わりに似ていた。ちょっぴり寂しくて、充実感があって、そこで出会った人々の優しさに感動し、またここに戻ってきたいと思う、あの時の気持ち。すべての人たちに、心から「ありがとう」と言いたいような。

そして、その気持ちをもう一度味わいたくて、また旅に出る。tico moonのお二人の次の旅は、もう決まっている。それは次の日曜日。青空の下の多摩河原。きっと、準備は万端だろう。旅にもっていく新しい荷物は、お二人にとっての新しい曲。この日のために用意された、あのCDのための新しい曲。

さあ、旅立ちの日は迫っている。もみじ市への旅はもうすぐだ。

<tico moonライブ>
日時:10月26日日曜日 14:30〜
場所:川を背にしたステージにて

*tico moonのお二人に聞きました

Q1. 今回、もみじ市ではどんな曲を演奏される予定ですか?

7月にリリースしたアルバム「Rspberry」からの曲を中心に、
ちょっと秋らしい曲も織り交ぜて演奏しようと思っています。

Q2. 今回のイベントのテーマ「旅と音楽」に合わせて、演奏される予定の曲があれば教えていただけますか?

もみじ市で先行発売されるコンピレーションアルバム「旅と音楽と、」に参加させていただいたのですが、その中でカバーした曲を演奏するかもしれません。頑張ります!

Q3. 今回は、多摩川の河原で開催されますが、もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

会場が広くなったので、色々ゆっくり見てまわりたいです。

Q4. 来場されるお客様にメッセージをお願いします!

今回はテーマが「旅と音楽」という事で、ライブがとても充実しています。先行発売されるコンピレーションアルバム「旅と音楽と、」も、本当に素敵なアルバムです。是非お楽しみに!

*さて続いては、初登場の兄弟デュオのご紹介です。そうです、あのお二人がもみじ市へやってくるのです!

|

コトリンゴ「ライブ」(25日)

Kotringo

空から舞い降りてくるようなその歌声は、深海に降り積もる雪のように静かに、どこまでも続く草原から吹いてくる風のように優しく、聴く人の心にそっと降りてくる。添えられるピアノの音色は森の奥深くにそっと湧き出る泉のように透明で、その響きは澄んだ水面に静かに広がっていくようだ。

今回、もみじ市にコトリンゴさんが出演してくださると聞いた時、嬉しさを通り越してびっくりした。本当なのかな、と信じられない気持ちだった。それからというもの、会場の下見で多摩川へ足を運ぶたびに、サイクリングロードを行き交う人を見るたびに、通勤電車の窓から空を眺めるたびに、多摩川の風にのって響き渡るコトリンゴさんの歌声を何度も想像した。これまで、みんなで大切につくり上げてきた、もみじ市という“ステージ”で、コトリンゴさんのライブが実現するのだと思うと、その風景を思い描くだけで、こみ上げてくる気持ちで胸がいっぱいになった。

コトリンゴさんは、5歳でピアノを弾きはじめ、7歳にはすでに作曲をしていたという。その後神戸の音楽学校を経て、世界で唯一ジャズを基調とした音楽教育を行うボストンの「バークリー音楽大学」へ留学し、在学中は様々な賞を受賞、桁外れなピアノ演奏力を発揮した。学位取得後はニューヨークに拠点を映し、自宅での作曲活動に専念していたが、あるきっかけで坂本龍一さんへデモテープを送ることになる。それは運命だったのか、坂本さんの耳に留まり、2006年にcommmonsよりデビュー。デビューから間もないにもかかわらず、たて続けにCMソングで曲を提供する他、これまでに2枚のアルバムを発表、美しいピアノの音色と歌声を多くの人に届けるライブパフォーマーとしても活躍している。

今回、もみじ市のイメージアルバム「旅と音楽と、」を333DISCSさんと一緒に作った。嬉しいことに、このアルバムにコトリンゴさんが1曲、参加してくれた。その曲は、アルバムの最後に収録されている「ひこうき雲」。1973年に発売された荒井由実さんのデビューアルバムに収録されている1曲で、アルバムタイトルにもなっている曲。初めてその歌詞を耳にした時、その内容に衝撃を受けながらも、決して悲しくはなく静かで前向きな気持ちを綴った言葉に感動した。聴けば聴くほど心に何かを残していくようだった。そんな、歴史に残る名曲をコトリンゴさんがカバーしたらどんな曲になるのか…?

実は、今回のアルバム「旅と音楽と、」の9曲の中で、私たちが最初に聴かせていただいたのが、レコーディングを終えたばかりのコトリンゴさんの「ひこうき雲」だった。初めて恋をする少女のようにドキドキしながら、私たちはその曲を聴いた。

思わず涙が出てしまった。美しく、静かで、余韻を残すピアノのイントロが始まった時、すでにその兆候はあった。込み上げてくるものを抑えながら目を閉じると、やがて、深くて、切なくて、優しいコトリンゴさんの歌声が聴こえてきた。もうだめだった。体中が涙腺になってしまったようだった。涙を流しなら思った。この曲は、私にとって“新しい曲”だ。まぎれもない、コトリンゴさんの「ひこうき雲」だ。

もみじ市まであと3日。もうすぐ、毎日通勤しながら聴いている、コトリンゴさんの歌声が多摩川の河原に響き渡る。毎日のようにラジオから流れてくる、コトリンゴさんの歌声が多摩川に響き渡る。その歌声はきっと、多摩川が運んでくる風に乗って、空高く上っていくだろう。白い、ひこうき雲のように。

<コトリンゴライブ>
日時:10月25日土曜日 14:00~
場所:川を背にしたステージにて

<紙ひこうきを飛ばそう>
紙ひこうきを作って、コトリンゴさんのライブの時にみんなで一緒に飛ばしましょう! 詳しくはこちら! 
日時:10/25(土) 11:00~14:00(随時受付)
場所:手紙の木の下
参加費:無料

*コトリンゴさんに聞きました

Q1. 今回、もみじ市ではどんな曲を演奏していただけるのでしょう?

9月10日に発売された2ndアルバム「Sweet Nest」からの曲と、
もみじ市でも販売されるコンピレーションCDに収録された
「ひこうき雲」もできれば良いなと思います。

Q2. 今回のイベントのテーマ「旅と音楽」に合わせて、演奏される予定の曲があれば教えていただけますか?

新しいアルバムの中に「帰り道」という曲があるのですが、
作った時にイメージしていたのが、海外に住んでいた時に
一時帰国する時の気分でした。
懐かしい家の思い出なんかも思い出しつつ、小さな旅の気分が出ているのではないかと思います。

Q3. 今回は、多摩川の河原で開催されますが、もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

素敵な宝探しに行く様な気分でのぞみたいです。

Q4. 来場されるお客様にメッセージをお願いします!

今回初めて参加させて頂くのですが、
春に行われた”花市”のパンフレットを見せていただいて、
もう既にわくわくしています。
お散歩の途中にでも、ふらりと聴きに来てくださいね。

*さて続いては、出店者の方々から届いた途中経過第二弾です!

|

中川ちえ「トークトリップ」(26日)

Chie

最近、中川ちえさんに会うたびに、僕はこう言うことにしている。
「ちえさん、小説を書いてください」

ちえさんの文章が好きだ。ちえさんが寄稿した書籍や雑誌があることを知ると、取る物も取り敢えず、ちえさんの文章から読むことにしている。

まず、出だしがとっても好き。ありきたりな説明的な要素はなく、「すっ」と懐に入ってきて、最初の一文だけで情景が浮かんでくるような文章。その一文があるからその後に続く文章のリズムは約束されたようなもので、心地良いテンポのなかで読み進んでいくと、自分が見たことのないはずの風景や、日常の中の甘酸っぱい匂いが漂ってくる。結びでは、出だしの文章の伏線がさりげなく効いていて、良質の短編小説を読み終えた時のような、なんとも言えない余韻を残す。

ちえさんが愛して止まないものたちと、その作り手たちへの思いを綴った近著『ものづきあい』(アノニマス・タジオ)のなかに、「鰹節削り」と題されたエッセイがある。このエッセイは、こんな風に始まる。

「近所の魚屋さんに、黒白のブチで目つきの悪いノラ猫が住みついている。ポカポカ陽気ののどかな日にはウチの庭までやって来て、好きな場所で奔放に寝そべり、日向の心地よさを堪能していく。」(P142より引用)

そして、終わりはこう。

「あの黒猫たちにこの味を覚えさせてしまったら大変だ。削る音がするたびにやってきて、せがまれながらせっせと削り節を作らなければならない羽目になる。自由に暮らしているように思える猫を見ていて見習うこともあるけれど、この削り節の味はそう簡単に教えるわけにはいかない。」(P161-162より引用)

やっぱり僕は、ちえさんの文章を読む度に、ちえさんが書いた小説を読みたくなるのだ。ちえさん、いつか僕の夢を叶えてください!

現在ちえさんは、エッセイストのほかに、生活雑貨を集めたお店「in-kyo」店主としての顔も持っている。in-kyoに行けばちえさんに会えるわけで、ちえさんはいつも、たくさんの人に囲まれている。

みんながちえさんと会いたいのは(飲みたいのは?)、ちえさんの穏やかで、だけど楽しい人柄に触れたいのはもちろん、ちえさんとおしゃべりをしたいからだと思う。ちえさんの書く文章と同じく、ちえさんの話す言葉は、会話をした相手に幸せな余韻を残す。ちえさんとおしゃべりをした人は、みんな元気になって、家へ帰っていくのです。

さあみなさん。もみじ市では、ちえさんとおしゃべりをするようなつもりで、ちえさんが紡ぎ出す“言葉”をお聞きくださいね。もみじ組のクリエイターたちを迎えて、どんな話が飛び出すのかは、当日のお楽しみ。でも、ひとつだけ確かなことは、もみじ市への旅から帰る頃、ちえさんとおしゃべりしたあなたは、きっと元気になっているでしょう。

<中川ちえトークトリップ>
日時:10月26日日曜日 12:15~
場所:川を背にしたステージにて

*中川ちえさんに聞きました

Q1. 今回のもみじ市では、どんな作品を発表しますか?

前回の「お話の会」に引き続き、「トークトリップ」と題して今回もしゃべります!

「旅するようにしゃべりたい!」

そんな私の願いを叶えてくれるお相手はもみじ市メンバーの面々。
tico moon 影山さん
オカズデザイン料理長 吉岡知子さん
手紙社代表 北島さん

旅先でいろんな人に出会って輪が広がっていくように、お一人ずつ会話に加わって頂いて、最後には4人でお話をする予定です。

Q2.「旅と音楽」というテーマに合わせた作品があれば教えてください!

トークトリップの他に、いつか旅してみたいと思っている徳島で、珈琲焙煎をされている「aalto coffee」さんのコーヒー豆を販売します。お買い上げのお客様にはコーヒーと音楽が好きなaalto coffeeの店主・庄野さんと私が書いたコラムのミニミニリーフレットを差し上げます。

Q3. 新しい場所で開催されるもみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

実はわたくし、事前に現地を見ぬまま、当日を迎えます。
だから「河川敷」と聞いて、川の匂いと原っぱのような景色を勝手に想像しているのですが、まさにそれは出発前に旅先へ思いをめぐらせているときのような気分なのです。
当日は新鮮な気持ちでワクワク感を味わいたいです。

Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客様にメッセージをお願いします!

今まで花市・もみじ市が行われていた泉龍寺にはいつも気持ちの良い空気が流れていました。場所が変わってもきっとそれは変わらないはず。

空を見上げて、深呼吸してー。

そんなゆったりした心地で楽しんで頂けたらと思います!

*さて続いては、な、なんと、ラジオから毎日のように流れてくる歌声がもみじ市に! その歌声は、あの雲のように、空高く舞い上がっていくでしょう。

|

achordion「ライブ」(25日)

Achordion

初めてachordionのお二人が奏でる音楽を聴いたのは、とても天気が良い日でした。ぽかぽかと日当たりの良い部屋の中に響き渡るachordionの音楽は、穏やかな午後にしっくりと馴染み、初めて出会った音楽だったにもかかわらず、まるで古くからの友人に再会したかのような印象を受けたのです。

achordionは、満田智子さんと木村恵太郎さんのデュオ。満田さんのすべてを包み込むような強くて優しいヴォーカルに、木村さんのかっこよくて表情豊かなアコースティックギターの音色が重なります。ヴォーカルとギターという至ってシンプルな構成だからこそ生まれるピュアなハーモニーは、どこまでも深く、ストレートに、聴く者の胸に突き刺さります。この音楽は、ジャズ? ポップス? ボサノバ? ロック? お二人が織りなす深い響き合いは、ジャンルを形容することができません。「achordion」という独立した存在を感じさせるのです。

「snow」という曲が好きです。この曲の歌詞にあるように、achordionの音楽は、心に雪が降るように、静かに、深く響いてきます。「眠れない夜に」という曲が好きです。この曲を聴くようになってから、いままでどちらかというと悲しみを伴っていた“眠れない夜”が、「悪くないな」と思えるようになりました。「party」という曲が好きです。この曲を聴くと、もうすぐ大きな“party”を控えたもみじ市事務局の慌ただしい空気も、なんだか楽しくて気持ちのいいものに変わっていきます。

私にとっていまやachordionの音楽は、古くからの友達のように、毎日の暮らしの中でそっと寄り添ってくれる存在。何か辛いときがあった時も、満田さんの歌声と木村さんのギターは、いつも私に「大丈夫だよ」と、そっと言ってくれるのです。

そんなお二人が紡ぎだす音楽をライブで聴けるのが、今から待ち遠しくてたまりません。みなさん、今回のもみじ市では、achordionのお二人はトップバッターで登場します! 秋の河原に響き渡る、満田さんと木村さんが奏でるハーモニーに、どうぞ静かに身を浸してくださいね。

<achordionライブ>
日時:10月25日土曜日 13:00~
場所:川を背にしたステージにて

* achordionのお二人に聞きました

Q1:今回のもみじ市では、どんな曲を演奏していただけますか?

もみじ市のコンピレーションCDに収録した2曲と、オリジナル曲、ジャズのスタンダード曲なども演奏してみようと考えています。

Q2:「旅と音楽」というテーマに合わせた曲があれば教えてください!

記憶の中を旅するような、オリジナル曲も今回演奏しようと思います。

Q3. 新しい場所で開催されるもみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

川辺の開放的な場所で、もみじ市に参加される方と、日常的に集まって来られる方々との交流がとても楽しみです。出品されるたくさんの作品を眺めて、お気に入りを見つけたいです!
水の流れる自然な場所で演奏出来ることもとても楽しみで、川の流れに沿って気持ちよく音が伝わってくれそうです。

Q4.もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客様にメッセージをお願いします!

多くの作家さんによって作られた作品がたくさん並びます。それぞれの作り手の暖かい想像で作られた作品に触れて、味わって楽しんでくださいね! 会場では水と音楽が流れていて、みなさんを優しく包んでくれますよ♪

*さて、残すところ出店者・出演者の紹介もあと7組。続いて登場するのは……、その前にここで、これまでに登場した方の途中経過(その1)をお届けしましょう。

|

イノトモ「ライブ」(26日)

Inotomo

ピアノの鍵盤をポンと押すだけで、ドキドキした小さな子供の頃。それは、人生で初めて、「音」に魅了された経験だったのかもしれません。それからというもの、たくさんの音楽に出会い、その度に音の持つ力のすばらしさを感じてきました。「音」を操ってたくさんの人に感動を与えられることは、いつしかわたしの憧れとなりました。そんなわたしの前に、最近、憧れの人がまたひとり現れたのです。

その人の名前はイノトモさん。これまでに数多くの曲を発表し、ライブも精力的に行っている彼女のことは、すでにご存知の方も多いのではないでしょうか。ふんわり。あたたかい。心地よい。そしてしあわせ。イノトモさんの歌声を聴くと、こんな気持ちになります。やわらかい歌声は、心の奥にすぅーっと染み込んでいくようで、毎日眠りにつく前はイノトモさんの歌声を聴く、これが私の日々のルールとなってしまったくらいです。

先日、ライブにお邪魔したのですが、初めてお会いするイノトモさんは細い体にキラキラな笑顔がまぶしい、素敵な方でした。お話をしてみると、歌声のままのほんわかな雰囲気。そして、実は6歳になる男の子のお母さんなのだそうです! お子さんのことをお話する時の優しそうな笑顔。そんな所も含めて、ますますわたしはイノトモさんが大好きになりました。ライブ中は、ギターやギタレレを片手に、あの華奢な体のどこから出ているのだろうと思ってしまうほどの、どこまでも届きそうな澄んだ歌声が会場内に響きわたって、一瞬にしてイノトモワールドへ引き込まれてしまいました。あぁ、今思い出すだけでも、胸がぎゅうっとしめつけられそうです。

青空の多摩川の河原で、イノトモさんの澄んだ歌声はみなさんをどんな風に包んでくれるのでしょうか。ゆらーりふわーり。心地よいひとときになること間違いなしですよ!

「河原で歌うなんて、ほんとうに気持ちよさそうですね!」と、もみじ市への参加を楽しみにしてくれているイノトモさんのやわらかい歌声を、ぜひぜひぜひお楽しみに!

<イノトモライブ>
日時:10月26日日曜日 11:30~
場所:川を背にしたステージにて

*イノトモさんに聞きました

Q1:今回、もみじ市ではどんな演奏をしていただけるのでしょう?

秋の、河原に合う歌。その日の風と空を感じながら歌いたいと思っています。

Q2:「旅と音楽」というテーマに合わせて、演奏される予定の曲があれば教えてください!

若い頃、東京から実家の福岡まで、よく鈍行列車で行き来していました。その旅の中で、電車の窓から見えた、夕焼けの海。それがとても美しくって、恋人にも見せたいなあ、と思いました。
そんな風景や思いを綴った、「キミとボクのフルサト」という曲があります。

Q3. 新しい場所で開催されるもみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

のびのび!わくわく!

Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客様にメッセージをお願いします!

わたしもたぶんお客様と同じ気持ちで会場を楽しんでいることと思います。なので、一緒に楽しみましょう♪

*さて続いては、大人気のあのイラストレーターユニットが、とーっても楽しくてダイナミックなワークショップを考えてくれましたよ。これは参加せねば!

|