« えみおわす「ちくちく手縫いの会」ワークショップ(10日) | トップページ | 成田理俊「鉄」 »

古道具あきすけ「古道具と古家具」

Akisuke_photo_3

チクタク、チクタク、チクタク…。
アメリカ民謡『大きな古時計』に出てくる90年間時を刻み続けた時計は、おじいさんが天国に召されると同時に止まり、再び動き出すことはありません。今日ご紹介する方の“作品”は、一度壊れてしまったらこの先使うことができない、先の時計と同じ運命を辿るのでしょうか?

陶芸家、料理研究家、音楽家など、全国で活躍するさまざまなジャンルの作家さんが集うもみじ市。そんな中、趣のある古家具や古道具を相棒の軽トラック「あきすけ号」に積み込んで登場するのが、「古道具あきすけ」店主の安藤大輔さん。築35年の元商店を改築したお店には、滑車付きで高さ調節ができる(?)重厚なつくりの鉄製フックや、なぜか脚が継ぎ足されている大昔のものと思われる踏み台など、「理由はないけど、なんかいい」、クスッと笑みがこぼれてしまう楽しいものが満載です。

楽しいだけではありません。使えないものはきちんと修理。がたつきがあるテーブルは一度ばらしてから組み直し、天板がぼろぼろになった棚は丁寧に塗った新しい天板と交換します。こうして使えないものを修理しお店に置いている安藤さんを見ていたら、こんな風に思いました。

「安藤さんは“未来作家”なのかもしれない」

Akisuke_photo___3

もみじ市に参加して下さるたくさんの「○○家」の定義が、「何かをつくりだす人」のことだとしたら、安藤さんは、使えなくなり一度は消えてしまった古いものの未来をつくりだす人、すなわち“未来作家”だと思うのです。

その対象は、何も「もの」だけではありません。お店の軒下にある巣の中で親ツバメをじっと待っている「雛」も同じ。巣の下に板でつくった「ツバメガード」を留め付け、巣からあふれて地面に落下し消えてしまうかもしれない雛の未来をつくっているのです。こうして“未来作家”安藤さんは、どこかの何かの未来をつくりだすため、今日もあきすけ号に乗っています。

チクタク、チクタク、チクタク……チクタク…。

今回のもみじ市のテーマは「宝さがし」。古道具あきすけでは、これから先もずっと大切にしていたくなるような宝物にきっと出会えるはず。どんなものに出会えるかは当日までわかりません。だって未来はこれからつくられていくものなのだから! 

*安藤大輔さんに聞きました。

Q1. 今回、もみじ市ではどんな作品を発表しますか?

テーマが「宝さがし」ということで、宝物にできるような古道具を集めて持っていこうと考えています。

Q2. 今回のテーマに合わせた作品があれば教えてください。

もみじ市に向けて道具集めに日々奔走しています。今のところ古い木箱なんかを集めています。この箱に宝物をしまってください。

Q3. 今回はもみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

いつも楽しんで出展させていただいてます。毎回いろいろな人との出会いが楽しいです。昨年は天気が悪かったので今年は好天に恵まれるといいですね。

Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客様にメッセージをお願いします! 

みんなの笑顔が絶えないもみじ市です。いっぱい楽しんでいってください。

*さて続いては、「鉄」という素材を使って、なんとも素敵な生活雑貨を作ってしまうあの方、アイアンマスターの登場です!

|

« えみおわす「ちくちく手縫いの会」ワークショップ(10日) | トップページ | 成田理俊「鉄」 »