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ラトリエ ルートブルーエ「フランス焼き菓子」(10日)

夢と希望、たくさんの思いがいっぱいに詰まった小さな焼き菓子。初めてそのお菓子をいただいたとき、ふいに、あの頃の気持ちを思い出しました。

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見た目はオーソドックスな、小さく焼かれたパウンドケーキ。しっとりとしたそのケーキをひと切れいただいた瞬間、口のなかにふわりと広がったのはラム酒の香りでした。その味わいのなかに、生地に練り込まれたマロンのかたまりが、ときどきその存在をあらわにし、ラム酒とまざりあってさらにリッチな味わいを生み出します。ちょっと特別な、大人のパウンドケーキ。

私は小さかった頃を思い出していました。パウンドケーキのような焼き菓子って、子どもにとっては、日常の中の少しだけ特別な日のおやつでしたよね。たとえば、お客さま用に母が用意していたものを、わくわくしながらそのひと切れをおやつにもらうような、いつもと違う特別な感じ。

ラトリエ ルートブルーエのお菓子は、大人になったわたしにとっての、そんな存在のような気がしました。甘さをひかえたシンプルでナチュラルな焼き菓子が普段のおやつだとしたら、阿部里江さんのつくる焼き菓子は、日常の中のちょっと特別な日にいただきたいもの。いいことがあった日のおやつとか、大好きな友人のお宅に招かれたときの手みやげとか。

その背景には、「伝統的なフランス菓子を作りたい」という阿部さんの思いがありました。「以前、フランスを旅して朝から晩までお菓子を食べ歩いていたことがありました。それが本当においしくて、『この道で行きたい!』と思ったんです。だからコテコテのフランス菓子を追求していきたい。もちろん素材は国産小麦やアルミニウムフリーのベーキングパウダーなど良いものを選んでいますが、砂糖とかバターの量などを控えることはしていません。いちばんに『おいしい』と思うものにしたいから」

そう、強い思いを語ってくれた阿部さん。それは「素朴さ」が好まれる最近の焼き菓子の流れとは別のベクトルへ進んでいるようにも思えるけれど、それが新鮮で、だからこそ、特別感を与えるものにしているのかもしれません。

自宅に工房を構え、いまはネットのみで販売しているラトリエ ルートブルーエ。パティシエであるご主人の彰さんが作ったレシピを元に、里江さんが商品を焼いているそうです。ネットをオープンして、まだ2年足らずですが、夕方に販売商品をアップすると、翌日にはすべて予約が終了する、という人気店に。リピーターが多いというのも、その美味しさを裏付けています。

ちょっと難しいお店のお名前には、こんな思いが詰まっています。ホームページにはこんな説明が記してありました。

「”ルートブルーエ”とは、フランスの国道7号線、パリからコートダジュールの西端の町マントンまでを結ぶ道路のことです。訳すと「青い道」という意味。(中略)コート・ダジュール(紺碧の海岸)へ向かう道として、「青い道」と親しみを込めて呼ばれてきたのです。この道を歌った歌にシャルル・トレネの「国道7号線 ROUTE BLEUE7」という歌があります。その歌の中で「幸せいっぱいの道・成功に続く道」と”ルートブルーエ”は歌われています」

幸せいっぱいの道。それは、食べた人が幸せになるように。
成功へ続く道。それは、ご自分たちがいずれ「一軒のパティスリーを持つ」という夢を叶えるまでの、成功への道であるように。

「ラトリエ(工房) ルートブルーエ」は、いつか「パティスリー ルートブルーエ」へ。そう目標を持ちながら、阿部さんは今日もフランス菓子を作り続けているのでしょう。

もみじ市で阿部さんのお菓子をいただけば、きっとあなたにも笑顔が訪れるはずです。そして、もみじ市で過ごした1日が、ちょっと特別な日になるに違いありません。

*ラトリエ ルートブルーエ・阿部里江さんに聞きました

Q1. 今回のもみじ市では、どんな作品を発表していただけるのでしょう?

ティータイムに楽しみたい焼き菓子を販売します。

Q2. 「宝さがし」というテーマに合わせた作品があれば教えてください!

開けて思わず笑顔になるそんな詰め合わせを作りたいと思います。

Q3. もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?
昨年は客として訪れたもみじ市に、今回は出店者として参加させて頂ける喜びを噛みしめながら楽しみたいと思います。

Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客さまにメッセージをお願いします!

とってもステキな市です!どうぞ、宝物を探しにいらして下さいね。

*さて続いては、大人も子どもも夢中になる、絵本の読み聞かせのはじまり、はじまり。

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