アトリエ モリヒコ「アトリエ モリヒコ」(11日)
それはとても寒い日で、人々に踏み固められた雪ががっちりと道路を覆い、一面を白の世界に変えていました。つるつると滑る足下に注意を払いながら、慎重に歩きます。雑誌の取材を申し込んだ僕は、オーナーの市川草介さんの勧めで、お店の開くよりも早い時間に、札幌にある古民家を改装したカフェ「森彦」を訪ねました。
中に入ると、目覚めのときを待つ静かな店内で、薪ストーブだけがチリチリとささやかな音を立てていました。その煙がゆらゆらと上るたびに幾本もの太陽の光がその姿を現し、テーブルに、椅子に、カウンターに、店内の至る所に降り注ぎました。それはとても幻想的な雰囲気で、夢の中にいるかのような心地で、市川さんのいれてくれた濃いコーヒーをいただいたのでした。
1996年にオープンして以来、森彦はそのやさしい佇まいと、自らが焙煎するおいしいコーヒーで、多くの人から愛される存在に成長しました。そして2006年、2号店として誕生したのがアトリエ モリヒコです。「コーヒーの美術館」がテーマだというアトリエ モリヒコは、森彦とは趣が異なり、モダンで、洗練された雰囲気。大きく開いた窓からたくさんの光が降り注ぎ、店内をやさしく暖めています。共通するのはコーヒーへの真摯な思い。そこで焙煎され、供されるコーヒーはどんな味がするのでしょう? 市川さんは言います。
「MORIHIKOのコーヒーを一言でいえば『量感豊かで、甘味を感じるコーヒー』。コクがあり、まろやか、そして濃厚。北海道は年間を通して湿度が低いので、コーヒーの焙煎にとても適した土地なんです」
そんな、北海道で愛され続けるMORIHIKOのコーヒーが、はるばるもみじ市にやってきてくれます。
「空気のキレイな北国で細心の注意を払い、新鮮でおいしいコーヒー作りを心がけています。ロースター(焙煎師)として皆さまにお伝えしたいことは、個性豊かなコーヒーを、正しい焙煎でしっかりと引き出し、北国にあるMORIHIKOのストーリーとともに味わっていただくということに尽きます。物語を感じる。そんなコーヒーを作り続けたいです」
今回は、通常販売されているモリヒコブレンドに加え、「もみじ市ブレンド」も登場する予定。遠くはなれた北国を思いながら、ここでしか体験できないコーヒーの味わいを、そして、MORIHIKOともみじ市が紡ぎだす物語を、ぜひ感じて下さい!
*アトリエ モリヒコに聞きました
Q1. 今回のもみじ市では、どんな作品を発表していただけるのでしょう?
MORIHIKOで普段使用しているネルを使い、テイクアウトでコーヒーをお出しする予定です。そのほかにもMORIHIKOの象徴ともいえる深煎り、中煎り、浅煎りのコーヒー豆を販売予定です。空気のキレイな北国で焙煎したコーヒーを、ぜひ味わってください。
Q2. 「宝さがし」というテーマに合わせた作品があれば教えてください!
通常は直径10cmほどのネルですが、今回は巨大ネルを制作し、もみじ市の会場で直接落とし、ご提供したいと考えております。またもみじ市に初参加を記念して、もみじ市ブレンドを販売予定です。秋にぴったりのコーヒーを楽しむひとときを、宝もののように感じていただければ幸いです。
Q3. もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?
6月に北海道で開催された「旅するもみじ市」に始めて参加させていただいたのですが、たくさんの方々の作品に触れて、とても貴重な経験になりました。東京でのもみじ市でも、また新しい出会いと、普段お会いできない方たちともお話が出来ることを心より楽しみにしています。
Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客さまにメッセージをお願いします!
大規模な会場に全国のステキな作り手さん達が大集合するもみじ市。まだ出会っていない宝物がきっとあるはず。「ウォーリーを探せ!」のような気分で楽しんでくださいね。そしてモリヒコを見つけた方はお気軽にお声かけてくださいね。
*続いてご紹介するのは女性がひとりで営むおしゃれな農家。山梨県から、かわいい野菜と一緒に登場です!
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