椿野恵里子「カレンダーとカード」
「目の前にあるものや植物を、心から美しいと思えた時、私の心はその光の色をより濃く記憶する」
これは、椿野恵里子さんの著書『風景のあとにーカレンダーのくれたもの』に書かれていた一文です。これを読んだ時に、わたしは感じました。こんな表現ができる椿野さんの心こそが、美しいものなのだろう、と。そして、その心が澄んでいるから、目の前にあるものを心から美しいと感じ、あんなに素敵な写真を撮ることができるのだろう、と。
椿野さんは、日々の暮らしの中で見つけた何気ない風景を写真におさめ、それをカレンダーにしています。カレンダーに写されている風景は、「花と果実」「器と骨董」の2種類。その写真は、色合い、構図、光の具合が素晴らしく、そして、とても美しいのです。また、何より素敵だなと思うのは、ものや植物と向き合う椿野さんの姿勢。自分の周りにあるそれらに敬意を持ち、それらに囲まれて暮らすことの尊さを、心から大切に思っているのだろうと感じられるからです。
椿野さんの著書を読んでいると、そんな椿野さんの、ものや植物に対する深い愛情の根源をたどることができます。それは、うらやましいくらいあたたかい、幼い頃の家族との些細な会話や思い出。その優しい思い出の数々が、椿野さんの感性の「もと」を形づくったのだということに気づかされます。
写真をきれいに撮ることは、少しのテクニックがあればできるのかもしれません。けれど、ものや植物と素直にまっすぐ向き合って、それらの「いい」表情を写すことは、テクニックだけでは到底できないこと。被写体への深い思いと、幼い頃から積み重ねてきた経験、そして、それが培ってきた感性がある人にしか、そういった写真は撮れないのではないでしょうか。だからこそ、椿野さんの作るカレンダーはこれほどに人気があるのだと思うのです。
そんな椿野さんのカレンダー作りは、今年で10周年を迎えました。それを記念して、もみじ市ではポストカードの販売をしてくださることになりましたよ。しかも、それは今までのカレンダーに登場したものの中から、椿野さん自身が気に入っている写真をセレクトするのだそう。あなたのお気に入りの写真が選ばれているかもしれません。お見逃しなく!
さらに、今年のもみじ市のテーマ「宝さがし」にちなんだ限定の作品もお目見えします。それは、「季節の宝物」を詰め込んだオリジナルボックス。一体、中からどんなものが出てくるのでしょうか、どうぞお楽しみに。
もちろん、2010年の新作カレンダーも登場します。こちらはなんと完成したばかりだそうです。今回も椿野さんの心の琴線に触れた、美しい風景の数々をぜひご覧になってくださいね。
*椿野恵里子さんに聞きました
Q1. 今回のもみじ市では、どんな作品を発表していただけるのでしょう?
2010年のカレンダーとカレンダー10周年を記念したポストカードを限定で作りたいと思っています。カードは今までのカレンダーの中から、気に入っているものを選びたいと思っています。
Q2. 「宝さがし」というテーマに合わせた作品があれば教えてください!
いつも写真に残している風景は、大切な季節の宝物です。カレンダーは、その宝物が詰まった本のようなもの。ひと月ずつページをめくって新しい年がまた始まります。出来たての2010年のカレンダーを持って行きます。また、もみじ市だけの特典も考えています。こちらは限定でオリジナルボックス入りの「季節の小箱」を作りたいと思います。手作りの季節のお茶やカードを詰め込みたいと思います。どんなお茶が入っているかはお楽しみです。
Q3. もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?
来て下さった方々と出来るだけ、お話ししたいと思っています。皆さん、気軽に声をかけて下さいね。個人的には、多摩川での開催も2回目なので、少し広さにもなれていると思うので参加の皆さんの作品が全部見れるように、作戦をたてて挑みたいと思います。是非今回は寺澤さんに写真を撮ってもらいたいです。
Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客さまにメッセージをお願いします!
多摩川の河川敷に宝探しのピクニック気分で是非来て下さい。草原に座って、美味しい物と音楽と、、、のんびりもいいですよ。敷物を持ってご参加下さい!
*さて続いては、アメリカン・ルーツ・ミュージックが多摩川に響き渡ります。パワフルでやさしい歌声を響かせる、シンガーの登場です!
| 固定リンク