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アンリロ「料理ノ宝石店」

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2007年の春、わたしの運命を変えたその日。「狛江のお寺で素敵な市が開かれるらしいよ。一緒に行かない?」と、友人に誘われるがまま、花市に遊びに行きました。お寺の境内で、さまざまなものづくりの人たちが、きらきらと輝きを放っています。「なんだか、楽しいことが始まりそう!」。食いしん坊のわたしは、早速フードの出店者さんをチェックし、あたりを見回します。おいしそうな湯気、さまざまな柑橘類の入った瓶、コーヒーのいい香り、みたことのない野菜、袋に入ったスコーン…どれにしよう? 何を食べよう? そう思っている間に、たちまち列ができてしまいました。

そんな中、たくさんの人に囲まれて、元気よく料理をしている人たちがいます。こんなに忙しいのに、楽しそうだなぁ、食べてみようかな。そのお店の看板には、こう書かれています。

「にんじんフライ」

にんじんのフライ? うーん、にんじんって、特別に買うほど好きじゃないんだよなぁ…。でも、スタッフの皆さんが、あまりにも明るく、楽しそうなので、なんだか気になる! とそんな気持ちで、1つ食べてみることにしたのです。

ひとくち、口に入れた瞬間のことを今でも忘れません。「これ、本当に…にんじん?」。そのにんじんは、今まで食べたことのない味がしました。例えるならば、かぼちゃのように、ほくほくとしてとても甘くいのです。そして、揚げたてがなんとも香ばしい。「にんじんって、こんなにおいしいんだ!」。ほっぺが落ちるとは、こういうことを言うのかもしれません。そのおいしさに、今までに食べたすべてのにんじんに感謝をしたくなるほど、感動してしまったのです。

それが、わたしとアンリロとの出会いでした。そして、その日以来、わたしはアンリロに恋をしてしまいました。

アンリロは、栃木県鹿沼市にある“フレンチ・ベジタリアン・レストラン”です。東京の超一流フレンチと、益子のオーガニックカフェで腕をふるっていた上村真巳さんが2005年、アンリロをオープン。「アンリロ」とはフランス語の造語で、「一粒の米と一滴の水」という意味。「小さな頃から自分のお店を持つのが夢だった」と話す上村さんが、一粒の米と一滴の水だけをもって、一歩を踏み出しました。

「日々、大切にしていることは、何事にも感謝することと、すべてを学べる謙虚な気持ちでいること」と上村さんは言います。きっと、上村さんに料理される野菜にも、上村さんの気持ちが伝わっているのでしょう、「こんなにおいしくしてくれてありがとう」と言っているに違いないとわたしは思うのです。

それほど、上村さんが振る舞う料理の数々は、素材の味を生かし、輝かせ、「野菜をこんなふうに料理できる人が、他にいるのだろうか?」と、決して大げさではなく思ってしまうのです。アンリロが東京にあったら、毎日でも通うのに! と、よく思うのですが、同時に、わたしはどこかで、わかっているのです。鹿沼の空気や、流れる時間が、アンリロをつくっているのだということを。

「鹿沼の好きなところは、職人気質の面白い変わり者がいることと、お祭りなどの伝統をまもっていること。地元を愛している人間が多いこと、尊敬するものづくりの人がたくさんいること」

と上村さんは語ります。そう、鹿沼を愛する上村さんと、スタッフの皆さんがあの場所にいるから、アンリロのあの空気は生まれるんですね。だから、電車にゆられ、駅からとぼとぼと細い路地を歩き、鹿沼のアンリロに行こう。その日を楽しみに、毎日を頑張って行こう。

…と、ちょっと待ってください。今週末、そう、もみじ市にアンリロが登場するのです! いけないいけない。早起きをして、河原を散歩して、おなかを空かせて、アンリロの料理を多摩川の空の下で、「いただきます!」。ああ、考えるだけで、幸せになってしまいます。

今年は、どんなパフォーマンスを見せてくれるのでしょう。なんと、あの伝説のにんじんフライも久しぶりに登場する予定! さらに、もみじ市でしか食べられない、かなりスペシャルなプレートも用意してくれるそう。

「もみじ市が皆さんの思い出に残るような素敵な楽しい時間になるよう、気合いをいれて頑張ります」とアンリロチームの意気込みもばっちりですよ。

もみじ市、どうか晴れますように。わたしがアンリロに出会ったあの日のように、みなさんにも素敵な出会いがありますように!

*アンリロ 上村真巳さんに聞きました

Q1. 今回のもみじ市では、どんな作品を発表していただけるのでしょう?

ジュエリーショップのショーケースの中にひとつひとつ光り輝く宝石のような野菜の奏でるプレリュードをお楽しみください。

Q2. 「宝さがし」というテーマに合わせた作品があれば教えてください!

今回のテーマが「宝さがし」ということで、宝石箱(ジュエルボックス)をひとつひとつ作ります。宝石を愛でるように食べていただけたら、と思います。

Q3. もみじ市をどんなふうに楽しみたいですか?

アンリロは今回も新しいスタイルで会場を華やかに舞いたいと思います。華麗なるスタッフの舞。

Q4. もみじ市の宣伝部長になったつもりで、来場されるお客さまにメッセージをお願いします!

もみじ市はクリエイティブな方々の集まりです。非常に刺激的かつ優しさに満ちています。どうぞお越しください。

*さて続いては、なんとまあ、今最も注目されているといってもいい、あのダンスカンパニーがもみじ市に登場です! 彼女たちのダンスは、独創性があり、面白くて、そして、珍しい!

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